寒い季節になると日常的に暖房の利用頻度が高くなりますが、寝るときもつけっぱなしにしていいのか疑問に感じるのではないでしょうか。結論としては、注意すべきポイントを押さえれば、暖房をつけっぱなしにして寝ても問題ありません。
また、状況にあわせて入眠後に暖房をOFF、起床前にONにするとよいでしょう。その理由や寝るときの暖房の使い方を本記事では解説します。暖房をつけっぱなしにしなくても快適な睡眠ができる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
厳しい寒さや手足の冷えから、冬は入眠までに時間がかかったり、睡眠の質が落ちたりする傾向にあります。人は、深部体温(体の中心の温度)を下げることで入眠のスイッチを入れています。
深部体温を下げるためには、皮膚体温(手足の温度)を上げて熱を逃さなければいけません。手足が冷えていると、熱を逃がし深部体温を下げる働きがうまくいかず寝付きが悪くなります。
暖房をつけて寝ると、冷えからくる寝付きの悪さも少なくなり、快適に眠れるようになるでしょう。とはいえ、一晩中暖房をつけっぱなしにしておくと、室温の上昇と湿度の低下につながるおそれがあります。
そこで、適切な暖房の設定方法や活用方法を知っておけば、睡眠の質を下げずに冬も快適に眠れるようになります。
十分な睡眠がとれないと、免疫力の低下につながったり、体調を崩す原因になったりします。睡眠の質を下げずに、寒い冬でも快適に眠るためには、暖房器具の設定をうまく活用するのが重要です。ここでは暖房の設定や適切な室温について解説します。
就寝前の約30分前から暖房で部屋を暖めはじめ、布団やベッドに入ったときに寒さを感じづらい環境を作っておきましょう。入眠後2〜3時間経過したら暖房をOFFにするのがおすすめです。
また、起床の1時間前に暖房がつくように設定しましょう。人は朝になると体温が上がることで目が覚めます。室温と寝具内の温度差を少なくしておけば、スッキリと起きられるようにできるでしょう。
冬場は深夜から明け方の時間帯に最も気温が下がります。暖房器具に搭載されている便利機能をうまく活用してつけっぱなしにするのもおすすめです。たとえば、入眠時は高め、就寝中は2℃程度温度を下げる、起床前に再度温度を上げる設定を持った暖房器具もあります。
厚生労働省が提唱している睡眠指針12箇条によると、約13〜29℃になるように室温を設定するのがよいといわれています。ただし、夏と冬で温度差があるため、約13〜29℃の間で自分に適していると感じる温度設定にするのがよいでしょう。
部屋の温度が高すぎると深部体温が下がりにくく寝付きが悪くなる原因にもなるため、暖めすぎないよう注意が必要です。寝具内は33°C前後になっていると、快適な睡眠がとれるとされています。
また、部屋の湿度は40〜60%が適しています。冷たい空気や暖房の風は乾燥しているため、加湿器を使ったり、洗濯物や濡れたタオルを干したりして、適した湿度を保ちましょう。ただし、過度に加湿しすぎてしまうと、結露やカビ・ダニを発生させる原因となります。
厳しい寒さからどうしても夜中に目覚めてしまう、などの理由により、暖房をつけっぱなしにしておきたい場合もあるでしょう。しかし、一晩中暖房をつけて寝るときに気をつけるべきポイントを知っておかなければ、体調を崩したり、家計や自宅に影響を及ぼしたりする可能性もあります。
そこで、ここでは暖房をつけっぱなしで寝るときの注意点や対策を4つ紹介します。
長時間暖房を使用することで部屋が乾燥し、のどの不調や体のだるさにつながる可能性があります。乾燥している空気は、皮膚や呼吸から水分を蒸発させるためです。寝ている間に脱水症状が起こることもあるため注意が必要です。
のどの渇きを感じていなくても水分補給をしてから寝るといった工夫が必要でしょう。また、空気の乾燥は肌トラブルにも発展します。暖房をつけっぱなしにするときは、同時に加湿をおこない、40〜60%の湿度を保つようにしましょう。
のどや鼻の粘膜にダメージが出ないよう、寝るときにマスクの着用や、暖房の風が直接当たらないような工夫も必要です。
赤ちゃんがいる場合は、室温の調整が大切です。一緒にいる大人は、寝ている最中に暑い・寒いと感じれば、布団で調整できますが、赤ちゃんや幼い子どもは自力で体温調節ができません。
暑すぎると脱水症状を引き起こす可能性もあります。汗が冷えたり、空気が乾燥したりすることから風邪を引いてしまうことも考えられます。赤ちゃんは免疫力が十分に備わっていません。
乾燥によって鼻やのどの粘膜のバリア機能が低下し、より感染症にかかる可能性も高まるでしょう。室温が20度前後を下回る場合は、暖房をつけっぱなしにして睡眠に適した室温をキープします。同時にしっかりと加湿をおこない、空気の乾燥を防ぎましょう。
一晩中暖房を稼働させ続けると、電気代が高くなる傾向があります。ただし、夜中に何度もON・OFFを繰り返すと、かえって電気代が高くなるケースも考えられるでしょう。
冬場は、外気と室内の温度差が大きくなるため、設定温度になるまでの消費電力が大きくなる傾向にあります。よって、頻繁につけたり消したりするより、つけっぱなしにしておくほうが電気代を抑えられる場合もあります。
寒さが厳しく暖房を消せないというときは、寝ている時間帯の設定温度を1℃下げてみましょう。夜間の電気代が抑えやすくなります。
寝るときに使用する暖房器具によっては、火災のリスクがあります。特に、発火するおそれのある電気ストーブや石油ストーブ(ファンヒーター)は寝るときに使用してはいけません。
また、つけっぱなしにしない場合でも、就寝前や起床前にストーブをつける場合も注意が必要です。火を使わない電気ストーブなどの暖房器具でも、干していた洗濯物が落ちたり、布団などが触れたりして加熱され、火事を引き起こす可能性があります。
表面温度が高温になる電気ストーブの場合は、誤って暖房器具がONにならないよう、コンセントを抜くなどの工夫も必要です。
ここでは、暖房をつけっぱなしにしなくても、快適な睡眠をとるための方法を紹介します。暖房の補助として使える方法です。寝る前や起床前に暖房のON・OFFを設定し、適切な室温にしておくと、より快適な眠りに近づけるでしょう。
せっかく暖房で適切な室温にしても、寝具が冷たいと入眠の妨げになっていまいます。そこで、事前に電気毛布や湯たんぽを寝具内に入れておき、暖めておくとよいでしょう。
ただし、低温やけどを引き起こすおそれがあるため、寝る前に使う程度にとどめておきましょう。寝ている間は電気毛布のスイッチを切る、湯たんぽは布団の外に出す必要があります。
冬用の寝具やパジャマに変えることで、暖房だけに頼らず睡眠の質を向上させられるでしょう。寝具やパジャマを選ぶときは、以下の性質に優位性のある生地がおすすめです。
寒がりの人は、保湿性・保温性のあるフランネル素材や、コットンパイル生地などのパジャマを選ぶようにしましょう。 さらに、寝具の種類によって選ぶポイントが異なります。
種類 | ポイント |
冬用の羽毛布団 | ・保湿性 |
敷布団・敷きパッド | ・吸水性・放湿性 |
寒い冬でも快適に眠れるように、季節にあわせた寝具やパジャマを選びましょう。
寒い時期は熱いお湯に入って温まりたい、寝る直前に入浴して体が温かいうちに眠りたいと思う人もいるでしょう。しかし、いずれも睡眠を妨げる行為であり、おすすめできる入浴方法ではありません。
タイミングは就寝の1時間くらい前、温度は40〜42.8℃のお湯に10〜20分浸かるのがおすすめです。入浴によって1〜1.5℃体温が上がり、ゆっくりと深部体温が下がっていくことで眠気が強くなります。
入浴後、湯冷めをしないように脱衣所や部屋の温度にも注意しておくとよいでしょう。
以下のような状況で暖房をつけっぱなしにしておきたい場合は、暖房器具を変更することを検討してみましょう。
【暖房器具をつけっぱなしにしておきたいケースの例】
暖房をつけて寝るときは、脱水症状や身体の不調を防ぐため、室内の湿度に気をつけなければいけません。そこでおすすめなのが、オイルヒーターやオイルレスヒーターです。
温風を使わずに部屋を暖められるため、空気の乾燥を防ぎ、のどや肌へのダメージも少なくできます。
寒さが厳しい季節でも快適な睡眠をとるなら、オイルレスヒーターの利用がおすすめです。ここではオイルレスヒーターの特徴やおすすめの理由を解説します。睡眠の質が下がりやすい冬に、快適な睡眠をサポートする暖房器具です。
オイルレスヒーターは自然対流と輻射熱で部屋を暖める暖房器具です。温風を使わないため、空気が乾燥しにくいというメリットがあります。つけっぱなしで寝ても乾燥からくる身体の不調が生じにくいでしょう。
さらにホコリやハウスダストなどを巻き上げることがないため、空気を汚さずに部屋を暖められます。アレルギーがある人には魅力的な仕組みといえます。
静音設計になっているオイルレスヒーターは、温風を出す音や燃焼音がなく、就寝時でも気になりません。温風の出るヒーターやエアコンの室外機が約40〜50db程度であるのに対し、オイルレスヒーターは人の耳では聞こえないレベルの約5〜7.6db程度です。
稼働音によって眠りが妨げられる心配もなく、就寝時にも使いやすい暖房器具といえます。
輻射熱と自然対流で全体を暖められるオイルレスヒーター。輻射熱には物体自体を暖める特性があるため、室内だけでなく寝具なども暖められ、自然と入眠しやすい環境を作れます。
室温だけが暖かくても寝具が冷たいままでは、手足が冷たくなり眠るために下がっていた体温を再び上げてしまう可能性があります。寝付きが悪くなる原因にもつながるため、寝具も暖めておくことが重要です。
オイルレスヒーターだけで就寝しやすい環境を作れるのは魅力的なポイントでしょう。
火を使わないオイルレスヒーターは、火災になるリスクが非常に低いです。表面温度も約50〜60℃と高温になりにくい特徴があります。
万が一うっかり触ってしまったとしてもやけどをする可能性は低いため、小さい子どもや高齢の方がいる家庭でも安心して利用できます。ただし、長時間触れ続けると低温やけどをするおそれがあります。また、暖められた空気が出る通気口は大変熱いので注意が必要です。
目覚めてしまうほどの寒さであれば、暖房をつけっぱなしにして寝ても問題ありません。しかし、空気の乾燥や電気代が上がってしまうことが懸念されるため、入眠後は暖房をOFF、起床前にONにするタイマー設定がおすすめです。
ユーレックスのオイルレスヒーターなら、タイマー機能が備わっています。オイルレスヒーターは乾燥しにくいうえに送風音がなく、睡眠を妨げないことから、就寝時におすすめの暖房器具です。
火を使わないため火災のリスクも低く、室内をやさしい暖かさに包み込めます。
オイルレスヒーターに関するご相談は、ユーレックスで受付しております。お問い合わせやご相談はこちらから。
【参照サイト】Haier 寝ている間、暖房はつけっぱなしにしたほうがいい?冬の睡眠の質を高めるためのポイントを解説!
【参照サイト】ダイキン 冬の睡眠時の困りごとと対処法
【参照サイト】TEPCO 寝る時に暖房をつけっぱなしにすべき?睡眠の質を高める使い方・設定方法
【参照サイト】厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針20214
【参照サイト】環境省 寒い冬もぐっすり眠りたい!快適な寝室で、省エネもできる安眠のコツ
【参照サイト】環境省 ウォームビズ(WARMBIZ)節約アドバイザーの和田由貴先生に聞きました!光熱費を抑え、快適に冬を過ごすポイントとは?
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